愛着を考えると手を抜けない
─それでは、冨澤さんと同じ質問をしていきますが、植木職人になったきっかけは何だったんですか
以前は和菓子の贈答用の箱を、手造りする仕事をしていました。時代ですね、廃れるのは寂しいですが、その道はすっぱり諦めました。親方とはそれからすぐ、2年くらい前に知り合いました。嫁の兄さんが文正さんで、手先が器用なので植木屋に向いているのではと、アルバイトから始めました。そしてやっと、2018年秋ごろ、見習いを経て、正社員になりました。
いまは、かたづけや草取りを任されています。任された以上は責任を持って取り組む。とにかく職人さんの流れをとめないようにしています。
たとえば、工具を探している気配があれば、先回りして持っていく。剪定時に、私が真下にいたら葉っぱが落ちて切りずらいだろうから、配慮する。
その都度、仕事がしやすい現場であれば、時間短縮につながりますし、縁の下の力持ちと理解しています。
家主さんから直接お声を
「きれい、ありがとう」、そう言っていただけるのが、一番うれしいです。それと皆さん、草取りひとつとっても、隅から隅まで仕事ぶりを拝見されています。これはお庭への愛着心の表れで、当たり前のことですが、「決して手は抜けない」その気持ちを強く持っています。
それと、意外だったのが、「草取りしたら、また生えてくるんですか?」という質問を受けたことです。もちろん、自然のものなので時間が経てば生えてきます。ただこの知識は、植木屋では当たり前のことでも、お客さまにとってはそうでない。自分が良いと思っても、お客さまの立場に立った受け答えを意識するようになりました。
また、実際にふれた木は、必ず図鑑で名前を覚えるようにしています。葉っぱがどういう形をしているのか、どんな花がつくのか、復習し、お客さまのアドバイスの質が上げられるよう、頭に叩き込む毎日です。
目標は、松剪定の極み
将来は松の剪定を極めたいです。信頼している庭師にしか任せないのが松の剪定と言われています。あわてないように、ひとつひとつ現場をこなし、着実に場数を踏んでいく。社長や文正さんのように、お客さまに気遣いができ、仕事の手際もいい、信頼される職人さんになれたらサイコーです。
最後に、うちは本当にチームワークがいいです。昭和の職人がたきのイメージはなく、仕事についても気さくに教えてくれます。池上植木は、僕らがやりやすいようにじゃなく、お客さまがのぞむ庭にどうやったら近づけられるかを、全員で考えている会社です。よろしくお願いします。
こころの風景
自筆のお礼状
まだまだ梅雨が続いてますねぇ来週末くらいには明けそうですがそれまでもうひと踏ん張りでしょうか。先日、飯村部長とお伺いさせて頂いたお客様から作業後にお礼状を頂戴しました。作業後にお客様から、ありがとう、と一言仰っていただけるだけでも大変嬉しいものですが、こうして自筆の礼状までご用意して下さったお心遣いに私めも感謝致しております。職人道中の思い出と宝物として大切に残しておこうと思います。
お祭り遭遇
休みに品川周りをサイクリングしてたらお祭りに遭遇三社や神田みたいな大規模の祭礼も壮観で良いですが、地元密着の祭礼も良い雰囲気ですね。コロナ禍を耐えて4年ぶりの祭礼、おめでとうございます